サポート

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難聴のお子さまをご一緒に育てていくためには、聴覚や言語、幼児の発達等に関する専門的知識を持つ専門職と、お子さまの将来を見通したさまざまなサポート体制が必要です。田中美郷教育研究所では、補聴器装用指導をはじめ、人工内耳に関するご相談、聴力や発達に関する検査、就学・進学・就職に関するご相談、お通いの幼稚園・保育園・学校を訪問しての先生方へのアドバイス等、幅広いサポートを行っています。

1.補聴支援

a.補聴器

一言で「難聴」といっても、お一人おひとりの聞こえ方はさまざまです。特に、乳児期に聴力を判定することは簡単ではありませんが、聴力が分からないと、適切な補聴器を選択することができません。田中美郷教育研究所では、お子さまの年齢や発達に合う方法で聴力を測定しています。補聴器を試聴しはじめたら、音への反応を保護者の方からお知らせいただくことが、聴力判定の助けになります。時間をかけて、複数の補聴器を試聴し、聴力や生活に合った補聴器を選んでいきます。

障害者総合支援法による「補装具費支給制度」により補助金が出ます。
詳しくは後述ー※障害者総合支援法による「補装具費支給制度」ーを参照してください。

b.イヤモールド


補聴器装用のために大変重要なものがイヤモールド(お耳の型を採って作る、オーダーメイドの耳栓)です。
補聴器に装着して使います。お子さまの場合、補聴器の落下を防ぎ、音をきちんとお耳に届けるために必要です。採型したものをもとに専門のラボが作りますが、耳の形に合わなかったり、緩すぎたり、外耳道が短すぎたりするとハウリングを起こします。極端に型が合わない場合は、耳を傷つけてしまうことがあるので、慎重に作ることが必要です。田中美郷教育研究所では、長年、たくさんのお子さまのイヤモールドを作ってまいりました。優秀なラボもついていて、遠方からわざわざイヤモールドを作るためだけにおいでになる方もいらっしゃいます。
お子さまがお使いになるものですから、かわいいアレンジもさせていただいています!

障害者総合支援法による「補装具費支給制度」により補助金が出ます。
詳しくは後述ー※障害者総合支援法による「補装具費支給制度」ーを参照してください。

c.ワイヤレス補聴支援システム

保育園・幼稚園・学校の教室など、先生との距離があったり、周囲に雑音がある環境では、補聴器や人工内耳を装用していても聞き取りが困難な場合があります。そのようなときに力になるのがワイヤレス補助支援システムです。送信機(マイク)を、先生方がストラップやクリップで胸元につけ、お子さまたちは、補聴器や人工内耳に装着した受信機で先生の声をダイレクトに聞くことができます。もちろん、周囲の音や声も普通に聞くことができます。
田中美郷教育研究所では最適なワイヤレス補助支援システムの選定、試聴、購入サポートをいたしております。

障害者総合支援法による「補装具費支給制度」により補助金が出ます。
詳しくは後述ー※障害者総合支援法による「補装具費支給制度」ーを参照してください。

※障害者総合支援法による「補装具費支給制度」

障害者手帳をお持ちのお子さまには、補聴器・イヤモールド・ワイヤレス補聴支援システムなどの補装具の購入・修理費用が自治体から支給されます。補聴器とワイヤレス補聴支援システムは5年に一度の適用、イヤモールドは数ヶ月に一度の適用となりますが、お住まいの自治体により若干の違いがありますので、詳しくはご相談ください。
障害者手帳をお持ちでないお子さまには、「中等度難聴児のための補聴器助成金」を導入している自治体が増えています。こちらは、自治体によりかなりの差がありますので、詳しくはご相談ください。

d.人工内耳

人工内耳は、補聴器の装用だけでは音声の聴取が難しい方のための医療技術です。人工内耳のインプラントを側頭部に埋め込み、蝸牛に電極を挿入します。補聴器のような形のスピーチプロセッサーを装用し、音をインプラントに伝えることで、聴取することができるようになります。
手術後、スピーチプロセッサーにプログラムを入れ(マッピング)、様子をみながらプログラムを変更していき、最適な聞こえの状態を作ります。
お子さまは、自分から聞こえの状態を伝えられないので、専門家と一緒に、様子を見ながらマッピングを繰り返すとともに、言語発達が順調に進むように、術前からの一貫した言語指導を行っていきます。
田中美郷教育研究所では、2002(平成14)年から、虎の門病院と連携し、人工内耳プログラムに取り組み、お子さまが人工内耳の適応になるかどうか、いつ手術を受けたら良いか、リスクはないのか、人工内耳メーカーをどう選択するか、術前・術後の教育はどうするのか等々、保護者の皆さまのご心配はさまざまだと思いますが、一つ一つご説明し、ご相談しながら進めて参りました。また、術前評価、術後評価など、人工内耳の効果とお子さまの発達状況の確認も行います。手術の前には、執刀医、教育担当者、ご家族が一緒になって、術前カンファランスも行っています。
田中美郷教育研究所でかかわった人工内耳装用のお子さまは200人を超え、元気に通ってきています。
中にはすでに社会人として活躍しているお子さまもいらっしゃいます。
すでに手術を受けてからのお悩みをお持ちの方のご相談も承っております。

2.聴力検査

お子さまの年齢に応じて、次のような検査法で聴力を測定します。


BOA
 赤ちゃんの音への反応をみる検査です。
COR
 音がした方向へ振り向く反応をみる検査です。
 振り向いた方向のおもちゃが動きます。
Peep Show
 音が聞こえたらボタンを押す検査です。
 ボタンを押すと窓の中に明かりがついておもちゃが見えます。
Play Audio
 ヘッドホンをつけて、音が聞こえたらボタンを押す検査です。
 ボタンを押すとガラスのテーブルに明かりがついて、中にあるおもちゃが見えます。

3.知能検査・発達検査

必要な時期に、知能検査や発達検査を受けていただくことで、お子さまの発達状況を把握し、指導に必要な観点を知ることは、難聴児教育にとって大変重要です。検査の結果をもとに、それぞれのお子さまにあった適切な指導を行っていくことができます。

WISC-Ⅳ(ウィスク・フォース)

5歳0カ月~16歳11カ月のお子さまを対象とした、代表的な児童用知能検査です。特に、難聴のお子さまには、知的能力に比べ言語の発達がどの程度まで進んでいるかをみることができます。

WPPSI (ウイプシイ) 知能診断検査

WISC-Ⅳの幼児版の知能検査です。3歳10か月から受けることができます。

新版k式発達検査

知能検査を受けられるようになる年齢前の小さなお子さまから受けられる発達検査です。運動発達・知的発達・言語発達の3つの側面について検査をします。

ITPA 言語学習能力診断検査

「ことば」に関した複数の種類の検査が含まれており、言語発達の中で得意な部分、未熟な部分を知ることができます。

DTVP-3

お子さまの視知覚上の特徴を評価する検査です。田中美郷教育研究所ではヴィジョンセラピスト(臨床心理士)が担当し、その後のヴィジョンセラピーにつなげます。

4.発達相談

発達障碍、学習障碍などによる、集団適応や生活の中での行動などのご心配のあるお子さまのために、臨床心理士によるご相談、指導を実施しております。

4は基本月1回土曜日開催。完全予約制です。
日程確認は、こちらをクリックしてください。
はじめてのご相談希望の時には、事前に電話かFAX・メールにてご連絡ください。

5.就学・進学相談

聴覚障碍をお持ちのお子さまにとって、就園・就学・進学先の決定は、成長のために、未来のために、大変重要です。地域事情について正しい情報を収集し、慎重に選ぶ必要があります。田中美郷教育研究所では、お子さまにあった幼稚園・保育園から小中高、その後の進学先まで、ご相談を承っております。

6.幼稚園・保育園・学校訪問

お子さまがお通いになる幼稚園・保育園・小中高等学校等の中には、聴覚障碍児の受け入れがはじめてのところもあります。お子さまの教育について先生方が不安にならないよう、就園・就学前に、希望する園や学校に専門職がご説明に伺うことができます。就園・就学後は、園や学校の状況に応じて、専門職が訪問し、様子を見させていただき、先生方へのご説明やご配慮のお願いをすることもできます。園や学校と、聴覚障碍児教育の専門職が連携することにより、より良い園・学校生活が送れます。

7.就労相談

田中美郷教育研究所開設当時のお子さまたちは、既に社会人として活躍しています。これから社会に出ていこうとするお子さまたちと保護者の皆さまは、希望とともに、不安もお持ちのことと思います。長年障碍者就労支援の一助となるパソコン講習会を開催してきたノーサイドPC教育センタースタッフを中心に、就労準備、企業見学や企業実習のご紹介、先輩の話を聞く会の開催などのサポートもいたしております。

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